ギリシア思想2

では、宗教とは違うのでしょうか?宗教とは何か、というお話も後々しますが、宗教も倫理の中に含まれる、と今は考えておいて下さい。人が生きてゆく中で、宗教以外にも導き手になるものはあるでしょうから。それは昔の偉い人の教えであったり、ご先祖様の遺言、家訓かも知れません。自分なりの生き方は広い意味の倫理の中に含まれます。大学には「倫理学」という科目があります。「学」が付いているのは、大学という学問・研究をする所ですから、人々がそれぞれに持っている生き方を「学」問として研究しようとするのでしょう。高校の「倫理」もその後ろに、「学」の字が省略されていると考えておいた方が良いでしょう。

「学」の字が無いと、そんなもの教室で勉強しなくても、我が家の家訓に従って私は生きるから関係ないよ、という事を言い出す人もいるかも知れませんから。こう考えてみると、小学校にあった「道徳」みたいじゃないか、と考える人がいるかも知れません。道徳は倫理に近い「科目」です。しかし学校で勉強する「倫理」(学)が、(小学校の時の)道徳と違うとすれば、(省略されちゃっていますが)学の字が付いている分、理論的な面が強調されているところでしょうか。

もう少し付け加えれば、自分一人で人生とは、人間とは、といった難しい問題を考える事は非常に大切です。それはしかし時として「独りよがり」になりがちです。そうした時に、過去の思想家や宗教家の考えや生き方を学ぶ事は、決して無駄になりません。それどころか、そうした考えを学ぶ中で物事を理解する力、自分なりに判断する力が養われる事が知られています。ですから自分を見つめ考えると共に、他人の考えを理解し判断する事を「倫理学」では重要視するのです。

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